東京五輪・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件で、大会組織委員会の大会運営局の元次長・森泰夫容疑者(55)と広告最大手「電通」側が、競技会場ごとの受注候補をまとめた一覧表を十数回にわたって更新していたことが、関係者への取材で分かった。更新が進むにつれて候補が絞り込まれており、東京地検特捜部は不正な受注調整を示す証拠とみている。
独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで逮捕された森元次長や電通スポーツ局の元幹部・逸見(へんみ)晃治容疑者(55)ら4人は、組織委が発注したテスト大会から本大会までの運営業務などについて、会場ごとの受注予定業者を事前に決めて談合した疑いが持たれている。契約金の総額は400億円規模だった。
関係者によると、最初の一覧表は2017年10月ごろに作成された。競争入札でなく、特定の業者を指名する随意契約での委託が検討されていた時期で、組織委側と電通側が調べた、運営実績のある業者が競技ごとに並んでいたという。
一方、18年1月にテスト大会の計画立案業務で競争入札が採用される見通しになると、森元次長と電通側は翌2月以降、各社の担当者らと面会やメールで頻繁に連絡を取って調整するようになった。一覧表は、各社の希望も踏まえて随時更新され、受注候補の修正や、下請けに回る業者の記載がなされたという。
表の形式は複数あった。競技ごとに「マーケティング」「大会運営」「会場設営」といった項目を立てて実績がある社の名前を入れたうえで、今回の受注の「候補者」を記載するなどしていたとみられる。
「合意」会場を色分け
入札が始まる1カ月前の同年…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル